当ページでは、良く言われる閑話(むだばなし、雑談)ではなく、
私自身がお寺の住職の一人として、日頃感じたこと、見たもの等…について
感話(感じたままをお話し)させて頂こうと思っております。
ご感想などございましたら、お気軽にお聞かせ頂ければ幸いです。
合掌  南无阿弥陀佛

 
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浄土真宗から生まれた言葉はたくさんあります。
学び

浄土真宗から生まれた言葉  10月19日

 

 日本の文化には、佛教が大きな影響を与えています。日本文化は、佛教文化だといっても過言ではありません。親鸞聖人さまを開祖とする浄土真宗から生まれた文化も数多くあります。その1つは結婚式の婚礼の時に女性が用いる「角隠し」です。この「角隠し」を広辞苑で引くと次のようにあります。「浄土真宗の門徒の女性がお寺参りの時に用いたかぶりもの。現在では婚礼の時に花嫁がかぶる頭飾り」とのことです。角隠しは、頭の上の角を隠すかぶりものという意味ですが、この角隠しは、「私には人を傷付ける角があります」という、念佛者の慎みによって生まれた営みなのです。親鸞聖人が、ご自身を「愚禿」と名乗られています。愚禿の愚は「愚かの愚」であり、愚禿の禿は「ハゲ」という文字を書きます。愚禿は「僧の形をした愚か者」という意味です。親鸞聖人が愚禿と表現されたのは、智惠才覚を他人と比べて言われたのではなく、阿弥陀如来さまのまことの心に出逢って、明らかになってきたご自身の心のあり方や、自分の意志ではどうにもならない「欲や怒り」の現実の我が身を見定めた言葉なのです。まさに「私には角があります」ということです。めでたい婚礼の席でそのめでたさに溺れず私には角があるという「角隠し」を用いる。次の世代に伝えたい大切な文化のようにも思われます。
合掌 南无阿弥陀佛
 
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