当ページでは、良く言われる閑話(むだばなし、雑談)ではなく、
私自身がお寺の住職の一人として、日頃感じたこと、見たもの等…について
感話(感じたままをお話し)させて頂こうと思っております。
ご感想などございましたら、お気軽にお聞かせ頂ければ幸いです。
合掌  南无阿弥陀佛

 
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日本の美しい言葉
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学び

浄土真宗から生まれた言葉3  10月21日

 

私が阿弥陀如来さまの名を称え、合掌礼拝する。それはまさに阿弥陀如来さまのお働きやお育てによると受け取る念佛者が、自分の行為行動の背後に大きな恵みやお陰を感じ、何事にも「させて頂きます」という表現になり、日常会話を行ったのでありましょう。
近江商人の代表と言えば、丸紅の初代創業者である[伊藤忠兵衛]が有名です。伊藤忠兵衛さんは、篤信の浄土真宗のご門徒でした。常日頃語っていた言葉があります。「事業や財産の興廃存滅は意にするところに足らぬ。理由のあることで仕事を潰しても文句は言わぬが、他の全てを失っても、本当のお念佛のお味わい、有り難さだけは忘れてくれぬな。」と言われておられます。事業は、うまくいく時もあれば失敗もある。それが人の世の姿であり無常ということであります。しかし、浄土真宗の信仰は、商売がうまくいった時も、失敗した時も自分を支えてくれる生きるよりどころ、すべての財産を失っても、お念佛の声を失ってくれるなという人生の心髄を示した言葉ではないでしょうか。「させて頂きます」は私たちにはなにげなく使っている言葉ですが、この言葉の生まれた背景にこうしたお念佛を喜ぶ方々の営みがあったことを決して忘れてはならないと思うことであります。
さあ今ここで「南无阿弥陀佛」とお念佛をお称え「させて頂きましょう。」
合掌 南无阿弥陀佛
 
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