人間の「いのち」の尊さを認め、全人類の自由と平等を願う人権の思想は、1948(昭和23年)、第3回国連総会において『世界人権宣言』としてあらわされています。ここであらためて、人間の「いのち」の尊さはもとより、生きとし生けるものの「いのち」の尊さを説き示された、親鸞聖人のおこころをたずね、本当の自由と平等とは何かを確認したいと思います。
親鸞聖人は、私どもは常に、阿弥陀如来さまの光の中にあると仰せられました。阿弥陀如来さまの智慧と慈悲のこころは、あらゆる人びとを差別しないで、平等に照らしおさめ、あらゆる「いのち」は、阿弥陀如来さまの光をうけて輝いていると教えてくださったのです。それゆえお念佛のみ教えに生きるものは、たがいに「いのち」への共感をもち、ともにお浄土への道を歩もうと心に誓うものです。人が人を差別するがことを認めず、お互いが尊敬と思いやりをもって生きるところに、念佛者の生き方があるといえましょう。
合掌 南无阿弥陀佛
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