当ページでは、良く言われる閑話(むだばなし、雑談)ではなく、
私自身がお寺の住職の一人として、日頃感じたこと、見たもの等…について
感話(感じたままをお話し)させて頂こうと思っております。
ご感想などございましたら、お気軽にお聞かせ頂ければ幸いです。
合掌  南无阿弥陀佛

 
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すべての事柄に聞いていく
学び

人間国宝のお言葉  12月8日

 

 仕事ひと筋に、何十年も歩みつづけ、立派な業績を残した人々がおられます。たとえば「人間国宝」と呼ばれる人たちです。こうした、一芸にひいでた人たちは、こぞって「多くの人びとの支えがあったればこそ、なしえたことだ」と語っておられます。さらに、その仕事をひと筋に歩み続けることは、その“仕事に聞きつづけていく”ことだともいわれます。
 「仕事に聞く」というのはおかしな表現ですが、こういうことです。
 たとえば、陶芸の道ひと筋に、生きぬかれたある方は、自分の窯に合った土を求めて、土をさがす中で、土は生きていると実感したとおっしゃいます。また、農業ひと筋の人は、稲は生きていると実感したと語っておられます。そして、田へ山へ、土の「声」、稲の「声」を聞きに出かけるのですと、おっしゃっていました。
 私が力をつくす中で、それぞれの道をきわめていくと、それまで「私がしてやった」という自負心は消え、私に呼びかけてくる、いろいろな「いのちの声」をお聞かせいただいたからこそ、今の私があるのだという、感謝の日々の中で、さらに新しい境地に入って、仕事をされるというのです。「聞く」という世界は、「いのちの声」に、「呼びさまされる世界」でもあるのです。
合掌 南无阿弥陀佛
 
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